中国国営通信社。
正式名称は新華通信社。本社・北京。ウェブサイトは「新華網」。
国営通信社として、新聞、テレビなど国内外の報道機関に記事や写真を配信するとともに、「人民日報」(党中央委員会機関紙)とともに、中国政府の意向を代弁する重要な機関でもある。
前身は1931年11月に中華ソビエト共和国臨時政府の機関通信社として江西省瑞金で創設された「紅色中華通信社」。その後、長征を経て、37年1月陜西省延安で新華通信社と改称。49年10月の新中国の建国ととともに、国務院直属の国営通信社となった。
新華社は国内では最大の報道機関。1944年から英語による対外放送を始め、48年に最初の海外支社を設立。その後、国際的通信社へと発展した。対外ニュース部、国際ニュース部などの部門があり、アジア・太平洋、中東、ラテンアメリカ、アフリカなどの地域には総支社、香港特別政行区、澳門特別行政区を含む海外に100以上の支社、支局が置かれ、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語、ポルトガル語、アラビア語などで中国を含む世界のメディア1万数千社に各種のニュース・情報を24時間提供している。イラク戦争では米軍に従軍し、開戦の第一報を世界に先駆けて行った。
1947年に設立された「新華通信社香港分社」は、新中国成立後は香港の特殊な状況下で、中央政府の出先機関、在外公館、さらには党の工作機関として特別な役割を果たしてきたが、97年7月1日の香港復帰後、こうした機能は縮小改変され、2000年1月18日から、「一国二制度、港人治港による高度自治の方針と基本法を貫徹し、特別行政区政府が基本法に基づいて施政を行い、中央人民政府駐香港機構が授権に基づいて責務を履行することを保障するため」、中央人民政府駐香港特別行政区連絡弁公室に改称された。
また、新華社の他に国営通信社としては、香港・マカオ・台湾、華僑向けの通信社である中国新聞社がある。