北京市の中心に位置する天安門広場は南北の長さが880m、東西の長さが550m。44万㎡の敷地に100万人が収容可能という市街地に位置する広場としては世界最大の規模を誇る。
広場は人民英雄記念碑を中心に、西側に中国の国会にあたる人民大会堂、東側に中国革命博物館と中国歴史博物館、さらに人民英雄記念碑の南側には毛沢東の遺体が眠る毛主席記念堂がある。広場の北側は世界でもっとも広い道幅を誇る長安街を挟んで雄大な天安門の城楼が建っている。
天安門城楼は明朝及び清朝の時代には皇城の正門であったが、1949年10月1日、毛沢東がこの場所より新中国建国を宣言して以来、中華人民共和国のシンボルして中国の国徽としても使われている。
天安門広場は過去に“五・四運動”や“一ニ・九運動”、最近では1989年の天安門事件などの歴史的事件の舞台となったほか、中国の建国記念日である国慶節には10年ごとに大閲兵式が行われるなど、政治権力の象徴としても特別な意味を持つ場所だ。
天安門城楼から長安街を挟んだ広場側には、国旗掲揚台があり、ここで毎朝日の出とともに儀仗隊により掲揚される五星紅旗(中国国旗の名称)は、最も神聖な国旗として、毎朝多くの学生、市民が敬礼を行っている。また日中も掲揚台の下には儀仗兵が直立不動の姿勢で立ち続けており、中国という大国の威厳が観光者にも身近に感じられる場所でもある。